駆け出しのフリーランスの頃、打ち合わせも不慣れで色々と失敗したことがあります。
・準備不足で打ち合わせの時間が押してしまう
・クライアントに指示された内容しかできない
これは自分が困るだけではなく、クライアント様にも迷惑をかけてます。
せっかく案件が取れて制作が出来ても、次の仕事に繋がらないと意味がないですよね。
今回は失敗した経験のある僕の経験談も踏まえながら、動画制作において必要な9つの確認事項を解説していきます。
②目標数値
③予算
④納期
⑤商品・サービスの特徴
⑥ターゲット
⑦動画の用途
⑧完成動画の長さ
⑨参考動画
依頼内容に対して必要な準備を進めることで、完成する動画のクオリティを何倍にも高めることが可能です。必要な項目をしっかりとチェックしておきましょう!
動画制作の目的を明確化する
確認が必要なのは以下の項目です。

● 目的
● 目標数値
● 予算
● 納期
こちらは最初に確認しておかないと、制作を進める段階で思わぬ修正が発生してしまったり、
必要なタイミングに間に合わなくなったりしてしまう可能性があります。
順番に解説する前に僕の失敗談をお話しします。
意外にも「目的」が決まっていないクライアント様も多くいらっしゃいます。
・動画があった方が良い気がする
・新商品ができるから動画も作ろうと思う
ざっくりとしたイメージのまま、制作を進めてしまいこう言われたことがあります。
「動画作ったけど効果がわかんない」
動画制作の目的や目標数値を決めていないと、結果的に動画が良かったのか評価がされません。そうなると継続的な依頼にも繋がらないので気をつけてください。
目的
動画制作の目的が不明確なまま、制作を依頼してくるクライアントも少なくありません。
目的は様々ありますが、主に以下のような内容に分かれます。
● 販売促進や集客を目的とした動画
● 幅広い認知を獲得するための動画
● 企業やサービスのブランディングの強化するための動画
動画制作において、どのような結果につなげたいか明確にしておきましょう。
目標数値
動画の「視聴回数」や「ランディングページへの遷移数」動画経由の「商品購入数」などの目標数値を設定すること大切です。
この数値が具体的であればあるほど、その数値に合わせた動画企画を考えやすくなります。
逆に、数値を明確にしていないと、期待している結果にギャップが生まれ、クライアントが納得のいく動画制作になりません。
目的によってもちろん異なりますが、動画制作において指標となる数字はこちらです。
視聴回数 | どれだけ動画が視聴されたか |
完全視聴率 | 視聴された動画のうち最後まで再生された動画の割合 |
クリック数 | 広告がクリックされた回数 |
コンバージョン率 | 動画を見た視聴者が問い合わせなどをした割合 |
一番に指標にしやすいのが「視聴回数」です。
しかし動画は「視聴回数」だけでは評価できません。
動画の効果測定で一番重要なのは「どれだけ長く動画を見てもらえ、行動につなげることができたか」です。
目標数値が決められない場合は上記を参考に決めてみてください。
予算
クライアントの予算に応じて動画制作の対応できる範囲が決まっていきます。
同じ企画内容であっても、数万円で対応可能なものと、
数十万円〜百万円以上の予算が必要となるものもあります。
ここで予算提示の際の失敗談をお伝えします。

インタビュー動画を制作したいのだけどどのくらいの料金でできる?

だいたい20万円くらいでできますよ!

安いね!お願いします!
撮影日は○日と○日の2日間で、社員40人のインタビューです。
オープニングにはアニメーションをつけて、ナレーションつけて進めてください。

(想定してたボリュームより多かった…)
僕はインタビュー動画なら20万円、プロモーションビデオなら30万円などある程度の予算感を決めていました。その際に、細かい設定をしていなかったので先方のボリューム感と差が生じてしまう事もありました。
「これだけやってこの金額か…」と失敗したことも多々あるので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
予算は企画内容にも影響を与えるものなので、明確にした上で企画提案を行いましょう。
納期
動画制作は、予期していない修正が発生することも少なくありません。
納品までの期間が長くなってしまう場合があるので、事前に確認しお伝えしておきましょう。
一般的には、動画制作の依頼から納品まで1.5ヶ月〜2ヶ月程度くらいが目安になりそうです。
企画提案の際には、納期から逆算して対応できる範囲を考えることも重要です。
イベントや展示会、商品のリリースなど、絶対に後ろ倒しできないケースもあるので、
必ず確認しておきましょう。
動画制作の構成を明確にする
続いて、動画のクオリティをより高めるために必須の確認ポイントを解説していきます。
● ターゲット
● 動画の用途(掲載する媒体)
● 完成動画の長さ
● 参考動画

ここでも失敗談を…
大事になってくるのが「ターゲット」ですね。ここが明確でないとこちらが思っているイメージで動画制作が進むこととなります。
商品のパッケージや効果が年齢層高めな女性に向けた商品だったので、淡い水色の高級感のあるイメージで編集を進めていたところ、クライアントに「10代にも使って欲しいので、ビビットな感じで可愛らしく編集をお願いします」と言われたことがあります。
事前に確認はしていたものの、このターゲットに向けてプロモーションしていきましょうと明確にしていなかったので、制作している段階でクライアントの意向が変わってしまった経験があります。
商品・サービスの特徴
僕は事前に商品のサービス資料やパンフレットなどを確認したいので準備をしてもらいます。
また、社内用に顧客には見せていない資料などもあるか確認しておきましょう。
ここには商品の本音やPRしたい部分、営業戦略などが書かれていることがあります。
特に他社サービスとの差別化できる部分は明確にしておきましょう!
ターゲット
続いてターゲットです。
ターゲットによって下記の内容も変わってきます。
● 訴求するポイント
● 企画内容
● 配信する媒体
例えば、同じ「化粧品」をアピールする場合でも、「女子高生向け」のアプローチと「50代女性に向け」のアプローチでは訴求するポイントが異なります。
ターゲットを明確化することで、動画の企画や構成も変わってきます。
女子高生向けのアプローチを行う動画なのに、30代の女性をメインキャラクターとして起用してしまっては、ターゲット層がずれてしまい良いプロモーションになりません。
制作する動画は「誰」に対して届けたいものなのか?
それを明確にした上で動画制作の企画を提案しましょう。
動画の用途(掲載する媒体)
動画の用途によっても、最適な動画のフォーマットや作り方が変わります。
例えば、YouTube広告で使用するのか、販促用のLPで掲載するのか、サイネージ広告で使用するのか、など制作する動画が「どこで」「どのタイミングで」使用されるかによって、最適な制作方法も変わってきます。
掲載する媒体は、使用目的やターゲットによって変わってくる場合がほとんどなので、一緒に考えるようにしましょう。
完成動画の長さ
動画制作の依頼を受ける際は、事前に完成動画の長さも明確にしておきましょう。
動画の長さによって、動画制作の費用が異なり、伝えられるメッセージの量も変わることを伝えましょう。動画の長さを決める際には、動画を掲載する媒体や広告オプションの内容を事前に確認しておくようにしましょう。
例えば、同じYouTube広告でも、インストリーム広告は15秒以内、バンパー広告は6秒以内など、入稿できる動画の長さに違いがあります。
参考動画
できるだけ用意してもらうことをお勧めするのが制作する動画に近いイメージの参考動画をもらうことです。
Zoomなどのweb会議やメールなどの文面でイメージを共有していると、どうしてもクライアント側とのギャップが発生してしまい、「イメージと違うな」という形になってしまいます。
明確に希望する動画の方向性が決まっている場合には、それに近しいイメージの動画をもらうか、雰囲気やテイストを参考にしたい動画などを提出してもらいましょう。
もしクライアント側でイメージがない場合は、ご自身の制作例などをお見せして、そこでお互いのイメージを擦り合わせをして調整を行いましょう。
映像クリエイターが実践する打ち合わせの流れ
まずは僕が実践している打ち合わせの流れを紹介します。
企画の概要と商品の特徴を確認して大枠を理解する

今回の動画制作の企画概要と商品(サービス)の特徴を教えてください。
まずは「動画制作をするきっかけ」「企画の概要」「商品(サービス)の概要」など動画制作を依頼することとなった経緯を把握しましょう。大前提が分かった上で進めると、以後の内容確認がスムーズに進みます!
ここで参考動画などあれば共有いただくのも良いと思います。
具体的な数値(目標数値・予算・納期)を決めていく

目標とする数値は決まっていますか?
目標とする数値は、クライアントが組み立てることが多いです。もし具体的な数値(問い合わせ数を○件にするために〇〇回以上の再生数を目指します)などが決まっていれば確認しておきましょう。
もし決まっていないようでしたら、「コンバージョン率の平均が2〜3%と言われているので、視聴100回で2〜3人がアクションしてくれますが、どのくらいのアクションが望ましいですか?」など数字を意識してもらいよう伝えていきましょう。

今回の予算や納期など決まってますか?
予算感を確認して、もし制作費を引いても余るようであれば「余った費用は広告費に回してください」などと伝えると好印象です!
納期はこちらの制作でも無理のない期間(余裕を持った期間)を提示しましょう。先方の広告開始時期やホームページの公開・プレスリリースの発信する時期なども考慮して確認を行いましょう。
企画を提案するための具体的な聞き取り

動画のイメージやターゲット、訴求ポイントを教えてください
ここから企画提案のために必要な情報を聞き出していきます。5W1Hを意識すると確認しやすいと思います。
Why (何のために):映像の求める効果、商品の認知、機能解説
Who (誰に):理想とする視聴者
When (いつまでに):納期
Where (場所):撮影場所
How (どのように):実写、アニメーション、機材
打ち合わせした内容をまとめた企画と見積もりを作成

打ち合わせありがとうございました。今回の内容をまとめて後ほど共有させていただきます。
打ち合わせでクライアントの要望を聞き、動画制作の大枠をまとめた議事録を提出します。
「企画概要」「目的」「納期」「ターゲット」「掲載媒体」「納品形態」など必要な情報と「見積書」を作ってクライアントに提出します。
僕の場合はGoogleのスプレッドシートを制作してクライアントに共有をしています。
別途必要な場合は見積書も作成してください。
以上が打ち合わせの流れとなります!
まとめ
今回は動画制作の打ち合わせに必要な9つの事前確認事項と実際の打ち合わせの流れについて解説をしていきました。
①目的
②目標数値
③予算
④納期
⑤商品・サービスの特徴
⑥ターゲット
⑦動画の用途
⑧完成動画の長さ
⑨参考動画
失敗から学ぶこともありますが、僕のように確認事項が漏れており後々苦労するケースも少なくはないと思います。
また打ち合わせの際に言ったことが、伝わっておらず制作する頃には双方の意見が食い違っていたということもあるので、打ち合わせ後は内容をまとめて共有することをお勧めします。
ぜひ上記の9つを確認しながら、進めてみてください。
これから打ち合わせする映像クリエイターの方々の役に立てれば嬉しいでwす!
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